股関節が痛む原因とは?
気が付いたら起こっていた「股関節痛」、その原因はいくつか考えられます。
- 長時間座っている事が多い
- よく脚を組む
- 立っていると片足に重心を乗せている
- 慢性的な腰痛がある
- 足首が硬い
- 股関節のはまりが悪いと診断を受けた事がある
- 妊娠を機に痛めた
このような原因があると、身体にはこんな症状や変化が現れます。
・この様な症状でお悩みではありませんか?
- 長時間歩くと痛みが出る
- 重い物を運ぶと股関節が痛くなった
- 歩き方が前と変わってしまった
- 同じ姿勢でいるのが辛い
- 長時間座っていると痛みが強くなる
- 臀部から足にかけて痛みやしびれがある
このような症状が起こってしまうのには、身体全体に問題が生じていることが多いです。
・この様な姿勢になっていませんか?
骨盤が後傾(後ろ側に倒れている、寝ている)している状態(上の画像)だと、大腿骨には外旋(O脚の様なガニ股)の力が加わります(真ん中の画像)。この状態が続くと、股関節の後方を走る梨状筋(下の画像)という主な筋肉が常に収縮状態に陥ります。この筋肉が収縮状態にあると、筋繊維同士の滑走が悪くなり、その繊維の間を通る毛細血管が圧迫され血行不良になります。そうすると筋肉の中では発痛物質である「ブラジキニン」が生成され、血行が悪いのでその物質が筋肉内に滞留して痛みを発します。この痛みが「股関節痛」として現れているケースが多いです。付随して、梨状筋の中や付近を通過すると言われている「坐骨神経」も圧迫を受けることで神経の流れが悪くなり、いわゆる「坐骨神経痛」という脚まで痛みや痺れが波及してしまう症状を伴う事があります。
逆に骨盤が前傾(前に倒れている、反り腰)しているパターンでは、大腿骨に内旋(X脚の様な内股)の力が加わります。この状態が続くと、股関節と太腿の前を通り脛まで付く大腿四頭筋が緊張状態になります。大腿四頭筋は主に膝を伸ばす筋肉ですが、股関節を屈曲(太腿を上げた状態)させる作用があります。この筋肉が常に緊張状態にあると、股関節には常に屈曲ストレスが加わり、股関節前面を走行している筋肉達と癒着や滑走障害を起こし、これが原因で股関節痛として現れるケースもあります。
他にも、骨盤が左右に傾くときに身体を安定させる中殿筋が骨格の歪みによって機能しづらくなり、身体を支えることが出来ず股関節に負荷がかかってしまった結果、股関節自体に炎症を招いているケースや、股関節の外側を走る大腿筋膜張筋と大腿骨が摩擦を起こして痛みが生じる事もあります。
問題が起こるのは筋肉だけではなく、全身の骨・関節にも問題が生じます。
本来、人間の背骨は様々な力を分散できる様に「緩やかなS字状のカーブ」が連続してできています。ですが、上記の様な骨盤の歪みにより、頭と頚椎(首の骨)が前に出てしまい、胸椎(背骨)・腰椎(腰の骨)のカーブにも異常が生じます。
この状態が続く事により、背骨同士の関節が硬くなり、関節の動きが制限される事によって、更に股関節痛を引き起こす骨格の歪みが定着してしまいます。
当然、身体は全部で一つである為、骨盤・股関節・膝・足にまで歪みが波及します。画像のような「骨盤前・後傾」「猫背」「ストレートバック」「スウェイバック」の様に歪むと、股関節は伸ばされるストレスや曲がるストレスが加わり、膝も曲がって・足(重心の位置)まで理想の骨格状態から大きく逸脱して拘縮します。
この様に全身に歪みがあると、歪んだ状態で関節がロックされて拘縮や癒着を起こし、本来使われるはずの筋肉が使われずに身体を動かすので様々な筋力が低下し、負担がかかる部位に偏りが出てきてしまい人間本来の運動連鎖(協調運動)の不調和が発生します。
更には、歪みにより神経へのストレスがかかり神経の流れが悪くなってしまう為、自己回復作用をもつ副交感神経が上手く機能しなくなり身体の自己回復力も低下します。この自己回復力が低下すると、股関節痛という異常に対していつまで経っても治らない状態が続いてしまいます。
・当院での治療は…
症状を根本的に改善して再発を防ぐには「深層筋×骨格×運動連鎖+神経」の4つを同時に治療するのがお身体にとって最善の治療です。
☑︎凝り固まり癒着した深層の筋肉や筋膜を改善する「トリガーポイント療法」
常にストレスがかかり続けた身体は、表層のさらに奥にある深層の筋肉や筋膜まで硬くなり癒着してしまいます。こうなってしまうと、一般的なマッサージや整体、セルフケアでは対処しきれない状態に陥ります。
当院では、そんな硬く癒着した深層筋に対して「トリガーポイント療法」で、奥深くにある深層筋を刺激し、筋本来の収縮・滑走・柔軟性などを取り戻すことで、血液の循環を良くし発痛物質である「ブラジキニン」や老廃物が排出されて痛みを改善します。
☑︎歪みにより機能しづらくなった骨・関節をリセットする「骨格調整」
その人が生きた年数分、骨格の歪みは蓄積されて問題が起こりやすくなります。骨格が歪んだ状態でいた分だけその形のまま定着し、筋肉は引き伸ばされる力が常に働く為硬くなり、関節はその状態でロックがかかって柔軟性が低下すると、硬く動きづらい関節が出来上がります。
当院では、そんな定着してしまった歪みを「足から頭」まで全身的に調整していきます。
「足根骨(足の細かい骨)」のアライメント(配列・バランス)と「骨盤」のアライメントは80%リンクしていて、相互に骨格バランスに影響し合います。
「股関節痛の原因が骨盤の歪みだから骨盤矯正をする」
これだけでは症状の再発も時間の問題であり、根本的な解決には至りません。身体全体を細かく検査して問題をブラッシュアップし、その身体に合った全身の調整を行うことで「再発防止」を目指していきます。
☑︎偏った使い方や低下した筋力の再教育を図る「運動連鎖の獲得」
骨格が歪んでしまうと偏ったまま身体を使ってしまう事になり、「日常的に使われる筋肉」と「日常的に使われない筋肉」が出てきます。
その状態で日常生活を重ねた結果、使われる筋肉は「使い過ぎ(over use)」、使われない筋肉は「筋力低下・萎縮(dis use)」となっていき、次第にインナーマッスルとの運動連鎖(協調運動)が上手く機能しなくなります。
こうなってしまうと、身体を支える為の筋肉同士のシステムが破綻し、上手く身体を支えられない(安定しない)状態に陥ります。体幹が安定しない身体では、たとえ骨格矯正で歪みを整えたとしても身体の軸を安定させる機能が落ちている為、その場では症状が改善しても日常生活に戻るとすぐに症状が再発してしまいます。
当院では、機能しなくなってしまった「運動連鎖」を改善させる為に、体幹筋であるインナーマッスルを刺激しながら行う運動や、その他にも様々な運動療法を取り入れております。この治療を取り入れることで、骨格調整で整えた後も体幹が安定しているので、日常生活に戻っても症状が再発しにくい身体をキープすることが出来ます。
☑︎深層筋の硬結・癒着、骨格の歪みにより流れが悪くなった「神経」の正常化
骨格が歪んで筋肉が硬くなると、当然「骨や筋肉を通る神経」にもストレスが加わります。例えば、背骨の隣を縦に走る「交感神経幹」は、背骨が歪んだ状態だと捻れや圧迫ストレスを受け続け、神経自体の流れが悪くなります。身体の回復には「副交感神経」の働きが必要な為、交互に身体に働きかけるこの神経達の流れが悪くなり、身体の自己回復力が大きく低下します。こうなってしまうと、本来「回復出来たはずの筋肉や関節の痛み」や「身体の疲労感」がいつまでも無くならずに身体に残り続けてしまいます。
当院では、「トリガーポイント療法」で筋の緊張や癒着を取り、「骨格調整」で全身の歪みを整え、「運動連鎖」の治療で身体を安定化させる事により、「神経」へのストレスを取り除くことで神経の流れを良くしていきます。
身体の状態により、検査を通して神経自体に癒着や問題がある場合は、「神経リリース」という神経自体を治療する方法で症状改善へと導きます。