膝が痛む原因とは?
辛く歩きづらい「膝の痛み」、その原因はいくつか考えられます。
- 中高年の方で膝が外に張り出している(O脚気味)
- O脚やX脚気味である
- 立っていると片足に重心を乗せている
- 股関節や足首が硬い
- 骨盤が歪んでいる
- スポーツなどで怪我をした
- 長年スポーツを続けているがセルフケアをあまりしない
このような原因があると、身体にはこんな症状や変化が現れます。
・この様な症状でお悩みではありませんか?
- 歩くと痛みが出る
- 歩き方が前と変わってしまった
- 歩きはじめや立ち上がるときに膝が痛い
- 膝が腫れている
- 膝の内側をおすと痛む
- 正座が出来ない
- 膝が曲がってきている
- 階段の上り下りで痛みが出るようになった
このような症状が起こってしまうのには、身体全体に問題が生じていることが多いです。
・この様な姿勢になっていませんか?
いわゆる上の画像のようなO脚の状態だと、膝が外方向へ張り出してしまいます。膝を頂点として弓形に歪むので、歪みのストレスが膝に集中します。こうなってしまうと骨盤から膝の外側に付く腸脛靭帯(大腿筋膜張筋)や、坐骨(座った時に座面に当たる骨)から膝裏の外側に付く大腿二頭筋、膝を覆う軟部組織(関節包、靱帯など)が常に引き伸ばされる力が加わりながら生活をすることになります。そうすると、靭帯や筋繊維同士の滑走が悪くなり、その繊維の間を通る毛細血管が圧迫され血行不良になります。そうすると筋肉の中では発痛物質である「ブラジキニン」が生成され、血行が悪いのでその物質が筋肉内に滞留して痛みを発します。この痛みが「膝痛」として現れているケースが多いです。
更にこの状態から悪化すると、大腿骨と脛骨(スネの骨)の内側同士がぶつかってしまうことで骨が削れてしまい、より強い痛みが発生する変形性膝関節症に移行してしまう方も少なくありません。
逆もまた然りで、膝が内側に入ってしまうX脚だと歪みのストレスが脚の内側に集中します。恥骨や大腿骨の内側から膝の内側に付く内転筋群、坐骨から膝裏の内側に付く半腱様筋・半膜様筋、内側の軟部組織に常に引き伸ばされる力が加わります。こうなれば上記の痛みが出る機序と同じ様に、膝の内側が痛み始めます。
一方で、X脚は鵞足炎という症状も引き起こしやすいと言われています。鵞足とは縫工筋・薄筋・半腱様筋が集合して膝の内側に付着しており、この付着部に絶えずストレスが加わる事で、その部分に炎症が起こり痛みを発するといったものです。
また、膝が常に曲がった状態でも痛みを引き起こすことがあります。先ほども出てきた大腿二頭筋や半腱・半膜様筋(ハムストリングス)には膝を曲げる作用があり、常に膝が曲がっているとハムストリングス本来の筋力が働かない=動きにくい状態が出来てしまい、これもまた癒着や拘縮といった異常が起こり痛みへつながります。
反対側の大腿骨の前を通る大腿四頭筋は、膝が曲がった状態だと常に引き伸ばされる力が加わり続けます。この筋肉は膝のお皿(膝蓋骨)から脛骨の前側に付着するので、筋肉が本来の柔軟性・滑走が働いていないと当然膝蓋骨の動きが悪くなります。膝蓋骨の裏には組織同士の摩擦を防ぐ滑液包というものがあり、この滑液包が上記の様なことが原因で痛みを発したりする事もあります。
他には原因がはっきりとした外傷性のものは、「前・後十字靭帯損傷」「側副靭帯損傷」「半月板損傷」などがあり、比較的大きな力が加わる事で発生します。ですが、根本的に元々の骨格バランスや重心の位置が悪い状態のままスポーツや運動強度の高いことを続けてしまうと、上記のような大きな怪我を起こしやすくしてしまいます。
問題が起こるのは筋肉だけではなく、全身の骨・関節にも問題が生じます。
本来、人間の背骨は様々な力を分散できる様に「緩やかなS字状のカーブ」が連続してできています。ですが、上記の様な膝の歪みがある方は、頭と頚椎(首の骨)が前に出てしまい、胸椎(背骨)・腰椎(腰の骨)のカーブにも異常が生じていることがほとんどです。
この状態が続く事により、背骨同士の関節が硬くなり、関節の動きが制限される事によって、更に膝痛を引き起こす骨格の歪みが定着してしまいます。
当然、身体は全部で一つである為、骨盤・股関節・足にも歪みが波及します。画像のような「骨盤前・後傾」「猫背」「ストレートバック」「スウェイバック」の様に歪むと、股関節は内・外旋ストレスや伸展・屈曲ストレスが加わり、その影響で膝も曲がった状態で拘縮を起こし・足(重心の位置)まで理想の骨格状態から大きく逸脱します。
この様に全身に歪みがあると、歪んだ状態で関節がロックされて拘縮や癒着を起こし、本来使われるはずの筋肉が使われずに身体を動かすので様々な筋力が低下し、負担がかかる部位に偏りが出てきてしまい人間本来の運動連鎖(協調運動)の不調和が発生します。
更には、歪みにより神経へのストレスがかかり神経の流れが悪くなってしまう為、自己回復作用をもつ副交感神経が上手く機能しなくなり身体の自己回復力も低下します。この自己回復力が低下すると、膝痛という異常に対していつまで経っても治らない状態が続いてしまいます。
・当院での治療は…
症状を根本的に改善して再発を防ぐには「深層筋×骨格×運動連鎖+神経」の4つを同時に治療するのがお身体にとって最善の治療です。
☑︎凝り固まり癒着した深層の筋肉や筋膜を改善する「トリガーポイント療法」
常にストレスがかかり続けた身体は、表層のさらに奥にある深層の筋肉や筋膜まで硬くなり癒着してしまいます。こうなってしまうと、一般的なマッサージや整体、セルフケアでは対処しきれない状態に陥ります。
当院では、そんな硬く癒着した深層筋に対して「トリガーポイント療法」で、奥深くにある深層筋を刺激し、筋本来の収縮・滑走・柔軟性などを取り戻すことで、血液の循環を良くし発痛物質である「ブラジキニン」や老廃物が排出されて痛みを改善します。
☑︎歪みにより機能しづらくなった骨・関節をリセットする「骨格調整」
その人が生きた年数分、骨格の歪みは蓄積されて問題が起こりやすくなります。骨格が歪んだ状態でいた分だけその形のまま定着し、筋肉は引き伸ばされる力が常に働く為硬くなり、関節はその状態でロックがかかって柔軟性が低下すると、硬く動きづらい関節が出来上がります。
当院では、そんな定着してしまった歪みを「足から頭」まで全身的に調整していきます。
「足根骨(足の細かい骨)」のアライメント(配列・バランス)と「骨盤」のアライメントは80%リンクしていて、相互に骨格バランスに影響し合います。
「膝痛の原因が骨盤の歪みだから骨盤矯正をする」
これだけでは症状の再発も時間の問題であり、根本的な解決には至りません。身体全体を細かく検査して問題をブラッシュアップし、その身体に合った全身の調整を行うことで「再発防止」を目指していきます。
☑︎偏った使い方や低下した筋力の再教育を図る「運動連鎖の獲得」
骨格が歪んでしまうと偏ったまま身体を使ってしまう事になり、「日常的に使われる筋肉」と「日常的に使われない筋肉」が出てきます。
その状態で日常生活を重ねた結果、使われる筋肉は「使い過ぎ(over use)」、使われない筋肉は「筋力低下・萎縮(dis use)」となっていき、次第にインナーマッスルとの運動連鎖(協調運動)が上手く機能しなくなります。
こうなってしまうと、身体を支える為の筋肉同士のシステムが破綻し、上手く身体を支えられない(安定しない)状態に陥ります。体幹が安定しない身体では、たとえ骨格矯正で歪みを整えたとしても身体の軸を安定させる機能が落ちている為、その場では症状が改善しても日常生活に戻るとすぐに症状が再発してしまいます。
当院では、機能しなくなってしまった「運動連鎖」を改善させる為に、体幹筋であるインナーマッスルを刺激しながら行う運動や、その他にも様々な運動療法を取り入れております。この治療を取り入れることで、骨格調整で整えた後も体幹が安定しているので、日常生活に戻っても症状が再発しにくい身体をキープすることが出来ます。
☑︎深層筋の硬結・癒着、骨格の歪みにより流れが悪くなった「神経」の正常化
骨格が歪んで筋肉が硬くなると、当然「骨や筋肉を通る神経」にもストレスが加わります。例えば、背骨の隣を縦に走る「交感神経幹」は、背骨が歪んだ状態だと捻れや圧迫ストレスを受け続け、神経自体の流れが悪くなります。身体の回復には「副交感神経」の働きが必要な為、交互に身体に働きかけるこの神経達の流れが悪くなり、身体の自己回復力が大きく低下します。こうなってしまうと、本来「回復出来たはずの筋肉や関節の痛み」や「身体の疲労感」がいつまでも無くならずに身体に残り続けてしまいます。
当院では、「トリガーポイント療法」で筋の緊張や癒着を取り、「骨格調整」で全身の歪みを整え、「運動連鎖」の治療で身体を安定化させる事により、「神経」へのストレスを取り除くことで神経の流れを良くしていきます。
身体の状態により、検査を通して神経自体に癒着や問題がある場合は、「神経リリース」という神経自体を治療する方法で症状改善へと導きます。