産後に出てくる様々な症状の原因とは?
産後の骨盤の歪みや痛みは、多くの女性が直面する問題であり、大きくは原因がはっきりしていますが、素因に関しては様々です。
- 元々腰痛持ちだった
- ホルモンバランスによる自律神経の乱れ
- 出産後、骨格バランスが変わった
- 無理な姿勢で抱っこをしている
- 体幹や脚腰の筋力不足
このような問題があると、身体にはこんな症状や変化が現れます。
・この様な症状でお悩みではありませんか?
- 背中や腰が痛い
- 恥骨辺りが痛い
- 股関節や膝、足が痛い
- 骨盤が歪んでいると感じる
- 身体の軸が安定しない感じがある
- 肩こり、頭痛がある
- 体重が増えてしまった
- 育児に支障が出ている
- 気分の浮き沈みが産前より大きい
産後の負担という明確な原因はあれど、様々な問題が絡み合い身体全体に問題が生じていることが多いです。
・産後のお身体に起こる変化
まず、産後に起こるお身体の変化で大きいものとして、まずは骨盤が挙げられます。
妊娠中の骨盤は、胎児の大きさに合わせて子宮と共に広がります。これは、リラキシンというホルモン作用により「恥骨(恥骨結合)」と「仙骨と腸骨(仙腸関節)」、この関節を補強する「靭帯(仙腸靭帯・仙結節靭帯等)」が主に弛緩することにより起こります。産後にはある程度の位置まで戻りますが、依然として関節の不安定性がある状態には変わりありません。
この骨盤の関節が緩むことによって、「上半身・下半身」で骨盤の不安定性を補うようになっていきます。
上半身では、脊柱・肩甲骨・腕・頚椎で補うようになります。
脊柱は、骨盤の上に乗っている為、非常に骨盤の歪みの影響を受けやすいです。骨盤の左右バランスが乱れている場合には「捻れ・側湾」の様な歪み、前後バランスが乱れている場合には「横から見た時の湾曲」に異常をきたしやすいです。
このような異常が生じると、体幹の骨につくインナーマッスルにも捻れが生じ、インナーマッスルが働きにくい状況ができてしまいます。インナーマッスルは、体幹を支える上で大きな役割を果たし、この機能が破綻すると一方または一箇所の筋肉や関節に負担がかりすぎてしまい、結果的に「背中や腰の痛み、肩こり・頭痛、身体の軸が安定しない」等の問題を引き起こします。
次に、下半身では股関節・膝・足関節で補うようになります。
特に問題が起こりやすいのが骨盤に繋がる股関節で、骨盤の低下してしまった機能を補うのに大きな影響を受けやすいです。骨盤が不安定な分、股関節周りの筋肉でバランスをとる回数が増え、使い過ぎによる負荷で痛みを出したり、最終的には股関節自体の使い過ぎで関節内にも炎症を起こしたりします。
更に、股関節で起きた問題を補正すべく膝・足関節にも負担がかかるようになります。
骨盤の前傾や後傾、片側の傾きなどの不安定な状態は、下肢の関節にも影響します。例えば、骨盤が前傾していると、「骨盤底筋や大腿筋群、腸腰筋」などの筋肉が弱まり、姿勢の維持に支障をきたします。次いで、脚の筋肉のバランスが乱れて身体全体が前重心になり、膝や足関節に過剰な圧力がかかりやすくなります。その結果、お身体では「恥骨辺りの痛み、股関節や膝、足の痛み」等の問題を引き起こします。
このことから、まずは基盤である骨・関節の位置の正常化を行い、筋肉が働きやすい状況を整えます。その上で緩まってしまった靭帯の作用を補強すべく「靭帯と似た走行の筋肉」で関節の安定化を図ります。この土台が出来上がれば、次はその方によって違う不足している筋力を選択的に強化していき、正しい骨格状態を筋力で安定させて形状記憶として脳にインプットさせます。
なので、産後のケアは骨盤を矯正するのではなく、トータルで身体全体のケアを行い、関節や筋肉のバランスを改善することで、身体の機能を正常化することが必要です。
産後で落ちた筋肉を鍛えるのも良いですが、その筋肉が働きやすい状況を作り、トレーニング効率が上がった状態でトレーニングを行う方が効果の出やすさがかなり変わってきます。
・当院での治療は…
症状を根本的に改善して再発を防ぐには「深層筋×骨格×運動連鎖+神経」の4つを同時に治療するのがお身体にとって最善の治療です。
☑︎凝り固まり癒着した深層の筋肉や筋膜を改善する「トリガーポイント療法」
常にストレスがかかり続けた身体は、表層のさらに奥にある深層の筋肉や筋膜まで硬くなり癒着してしまいます。こうなってしまうと、一般的なマッサージや整体、セルフケアでは対処しきれない状態に陥ります。
当院では、そんな硬く癒着した深層筋に対して「トリガーポイント療法」で、奥深くにある深層筋を刺激し、筋本来の収縮・滑走・柔軟性などを取り戻すことで、血液の循環を良くし発痛物質である「ブラジキニン」や老廃物が排出されて痛みを改善します。
☑︎歪みにより機能しづらくなった骨・関節をリセットする「骨格調整」
その人が生きた年数分、骨格の歪みは蓄積されて問題が起こりやすくなります。骨格が歪んだ状態でいた分だけその形のまま定着し、筋肉は引き伸ばされる力が常に働く為硬くなり、関節はその状態でロックがかかって柔軟性が低下すると、硬く動きづらい関節が出来上がります。
当院では、そんな定着してしまった歪みを「足から頭」まで全身的に調整していきます。
「足根骨(足の細かい骨)」のアライメント(配列・バランス)と「骨盤」のアライメントは80%リンクしていて、相互に骨格バランスに影響し合います。
「産後で骨盤が歪んでいるから骨盤矯正をする」
これだけでは症状の再発も時間の問題であり、根本的な解決には至りません。身体全体を細かく検査して問題をブラッシュアップし、その身体に合った全身の調整を行うことで「再発防止」を目指していきます。
☑︎偏った使い方や低下した筋力の再教育を図る「運動連鎖の獲得」
骨格が歪んでしまうと偏ったまま身体を使ってしまう事になり、「日常的に使われる筋肉」と「日常的に使われない筋肉」が出てきます。
その状態で日常生活を重ねた結果、使われる筋肉は「使い過ぎ(over use)」、使われない筋肉は「筋力低下・萎縮(dis use)」となっていき、次第にインナーマッスルとの運動連鎖(協調運動)が上手く機能しなくなります。
こうなってしまうと、身体を支える為の筋肉同士のシステムが破綻し、上手く身体を支えられない(安定しない)状態に陥ります。体幹が安定しない身体では、たとえ骨格矯正で歪みを整えたとしても身体の軸を安定させる機能が落ちている為、その場では症状が改善しても日常生活に戻るとすぐに症状が再発してしまいます。
当院では、機能しなくなってしまった「運動連鎖」を改善させる為に、体幹筋であるインナーマッスルを刺激しながら行う運動や、その他にも様々な運動療法を取り入れております。この治療を取り入れることで、骨格調整で整えた後も体幹が安定しているので、日常生活に戻っても症状が再発しにくい身体をキープすることが出来ます。
☑︎深層筋の硬結・癒着、骨格の歪みにより流れが悪くなった「神経」の正常化
骨格が歪んで筋肉が硬くなると、当然「骨や筋肉を通る神経」にもストレスが加わります。例えば、背骨の隣を縦に走る「交感神経幹」は、背骨が歪んだ状態だと捻れや圧迫ストレスを受け続け、神経自体の流れが悪くなります。身体の回復には「副交感神経」の働きが必要な為、交互に身体に働きかけるこの神経達の流れが悪くなり、身体の自己回復力が大きく低下します。こうなってしまうと、本来「回復出来たはずの筋肉や関節の痛み」や「身体の疲労感」がいつまでも無くならずに身体に残り続けてしまいます。
当院では、「トリガーポイント療法」で筋の緊張や癒着を取り、「骨格調整」で全身の歪みを整え、「運動連鎖」の治療で身体を安定化させる事により、「神経」へのストレスを取り除くことで神経の流れを良くしていきます。
身体の状態により、検査を通して神経自体に癒着や問題がある場合は、「神経リリース」という神経自体を治療する方法で症状改善へと導きます。